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2月「コーヒー飲もうよ」の日と3月の予定

梅が咲きまして、桜の開花までもひと月もありません(たぶん)。すっかり春になりました、と言いたいくらいにここ数日は暖かな陽気です。

2月は途中までつくば店の臨時休業が続きましたが、後半には再開することができました。しばらくお休みでつくば近辺の皆さんには大変にご不便をおかけしましたが、通常営業に戻りましたので安心してご来店くださいませ。

というわけで2月も今日が最終営業日、コーヒー飲もうよの日です。

店頭、通販でコーヒー豆/粉、便利なパック入りコーヒーが10%オフです。どうぞまとめ買いしてくださいませ。

通販では下のクーポンコードをチェックアウト時に入力してくださいね。

202502sale


そして3月のご案内です。

毎年ですが春にジャパンハンドドリップチャンピオンシップの地方予選がありまして、その運営に参加するために出張でお休みをいただくわけですが、今年もカレンダーをご覧いただきますと臨時のお休みがあります。福岡と札幌の地方予選の運営をしてくるため、ちょっとだけお休みいただきます。

終売/新入荷ですが、アリーチャ(エチオピア)が新入荷となりました。

といっても、生産者は変わらずで年度が新しいものに切り替わりました、ということになります。


3月になると、夏までの折り返しだなという気持ちになります。寒い寒いと言っていた2月から、どんどん気温が上がり気分も軽くなっていくという、うきうきした感じになりますよね。というわけで季節のブレンドは「うららか」がそんな雰囲気の風味につくってありますので、こちらもどうぞお試しくださいませ。

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15周年特別ロット「マリアナ・モレノ(マーキュリーロースト)」

2010年2月に創業しましたSSEは先日、なんと15周年を迎えることができました。無事これ名馬、という菊池寛の言葉がありますが、これは「怪我無く走り続けた馬こそ名馬である」というような意味だそうです。なるほど、SSEも無事に15年を過ごせたのでその意味では名馬のハシクレと言えるかもしれません(おこがましい話ですね)。この菊池寛の名言には元ネタがあって、無事是貴人という仏教の教えがあり、臨済和尚が「欲得無くなればそれは即ち悟りを開いたも同然」といような意味だそうです。SSEの中の人、ホゼもまぁちゃんもまだまだ悟りは開けそうにありません。

閑話休題。

15周年ですのでなにかやろう、ということでいろいろ考えてみたのですが、私たちはコーヒー屋ですので、やっぱりコーヒーに関することが良かろうということで、まずは第一弾、スペシャルロットのご紹介です。

(おっと、第一弾ということは、第二第三があるってことかな?)


マリアナ・モレノさんと、彼女のコーヒーについて、お話ししたいと思います。

写真左側の女性が、マリアナさんです。

マリアナさんは、メキシコの首都メキシコシティから300kmほど東へ離れたベラクルス州のコアテペックでコーヒーに関する事業を行う、モレノ家に生まれました。彼女で4代目に当たります。もともとモレノ家はコーヒー生産農家へ向けた農業用機械の製造、またヨーロッパやアメリカの機械の輸入販売をしていたそうです。マリアナさんのお父さん、モレノ家の三代目ということになりますが、お父さんは今でも別の会社を経営していて、その会社はコーヒーの実の選別用の機械、洗浄や乾燥用の機械、また焙煎機なども製造しています。モレノ家はコーヒー一家であったため、マリアナさんは子供のころからコーヒーを祖母に淹れてもらい(砂糖とミルクをたっぷりと入れたものが好みだったそうです)、またお父さんが製造するコーヒーの機械に囲まれて育ちました。そして2020年にコーヒービジネスの世界に、モレノ家の一員として飛び込むことになりました。

最初の仕事は、コーヒーの教室を開くことでした。首都であるメキシコシティではなく、コーヒー生産地でありお父さんの会社があるベラクスル州でスタートしました。それは、実際にコーヒーの栽培から収穫、生産処理、そして焙煎と抽出が全て一か所でできるからという理由に基いたものです。彼女はスクールで教えることで自身でもより深くコーヒーを知ることが出来て、またより多くのことを教えるために栽培から収穫、生産処理に至るまで様々なトライ&エラーからコーヒーについて幅広い知識と経験のバリエーションを持つことができました。これはモレノ家ではコーヒーの畑と生産処理施設、そしてお父さんの会社には焙煎機などの機器類が揃っていたから、成し得たことでしょう。

メキシコではまだ、スペシャルティコーヒーは新参者であり、従来の深煎りのコーヒーに砂糖とミルクをたっぷりと入れて飲むというスタイルが、特に中高年の人たちには一般的です。都市部ですら、若い人たちの中には、安くないスペシャルティコーヒーを専門店で楽しむという流行に敏感な層もいる、といった具合ですので、先進的なコーヒーの講座を受けられるスクールは国中でも多くなく、マリアナさんのスクールには遠くメキシコシティからも生徒が集まるというようになりました。

スクールが盛況なことと、マリアナさんの焙煎と抽出の理論や技術が十分に世界の先端に追いついてきているという自信から、マリアナさんはコアテペックの繁華街にカフェをオープンしました。これはまたたく間に話題になり、メキシコのスペシャルティコーヒーを牽引するカフェとして内外から注目を集めています。

そしてスクールでさまざまなテーマに取り組んだことで、マリアナさんは抽出や焙煎の手前のステップ、コーヒー豆そのものを自分自身のコーヒーとして作りたいと思うようになりました。

お父さんの会社はコーヒーの生産処理に関わる機器を製造販売しています。つまり、マリアナさんがやろうと思えば収穫したチェリーを袋詰めまでして販売することができるということです。スクールでは、そこで使うような小さな規模でコーヒーの実から生豆へと生産処理をしていましたが、自身のカフェ以外で使ってもらうためには、大きな生産処理場を設立し、大規模に処理を行わなければなりません。そこでマリアナさんは、思い切ってコーヒープロデューサーになると決意し、コーヒー生豆ビジネスの世界へ飛び込みました。

マリアナさんは若く、そして女性であるため、ビジネスは当初、大変に難しいものだったそうです。彼女は、メキシコでは専門職は男性社会だ、と言います。スクールの仕事の時も先生が女性であることは最初、信用できないとか軽んじられていると感じていたそうですが、農家やバイヤーとビジネスをすることになると一層それを感じるようになったと言っています。首都から離れた田舎であるコアテペックではマッチョで年かさであることがビジネスを有利に運ぶ大事な要素であり、マリアナさんを見て「若い女の子だ」と思われるともう上手くいかないことが多かったそうです。

しかし、マリアナさんの手掛ける生産処理施設というのは、コーヒーの生産にとって欠かせないパートです。家族経営の農家や小さな農園では処理施設を持たないため、どこかに委託するほかありません。時には足元を見られ買い叩かれたり、品質も見ずにひと山いくらで買われたりということが農家や農園の悩みの種です。しかし良い品質であれば高く買ってくれる、そして腕が良くて来年も再来年も取引をしてくれそうだ、という生産処理施設にチェリー(収穫したコーヒーの実)を持ち込むことは、それが新参者でも女性でも若くても、農家や農園にメリットがあります。

スクールを運営するため世界の先端のコーヒーに関する情報を集め、スクールでは生産処理から焙煎、抽出まで深く研究したマリアナさんの生産処理施設はコアテペックで受け入れられました。その裏側には、生産処理工程で使用する機器に細かに注文をつけるマリアナさんに、徹底的に付き合って機器を改良しているお父さんの力があると、マリアナさんは言います。

マリアナさんの施設では、ウォッシュ、ナチュラル、ハニーといくつもの処理工程を実施していますが、それらのひとつひとつの工程でも、発酵や乾燥の時間、温度などを精密に制御して、とても多くの味わいのコーヒーを生み出しています。

もちろん、機械と制御というハードの部分だけで上手くいくわけではありません。働いている人に十分に教育し、対価を支払い、やりがいのある職場になるように努めています。買い付けたチェリーの選別や工程におけるひとつひとつの作業を丁寧に行うことで、最終的なコーヒー豆の品質が上がるのです。

マリアナさんのTESTE Cafeが作り出すコーヒーは、まだスペシャルティーコーヒーの最前線を追いかけているメキシコという国で最先端のコーヒーであり、マッチョさと年齢がモノを言うコーヒービジネスで奮闘する若き女性が作り出すプロダクトであり、そしてなにより素晴らしい風味特性を持っています。


15周年のSSEが皆さんに紹介したいコーヒーは、こんなコーヒーだなあと思いまして、特別に買い付けしました。どうぞ、マリアナさんのコーヒーをお楽しみください。

>>マリアナ・モレロ(メキシコ)マーキュリーローストを購入する

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つくば店、再開します

1月下旬よりお休みをいただいておりましたつくば店ですが、2月19日より営業を再開いたします。

営業時間は11時より17時まで、定休日は月、火ですが、これは変わらずとなりますので、いつも通りご来店いただければと思います。

大変ご不便をおかけしましたが(ご近所の皆さんにはお休みしている間に大変ご心配をいただいて、お声をかけていただいたり、大変嬉しく思いました)、張り切って営業再開いたしますので、どうぞこれまで同様にコーヒー豆を買いに来たり、コーヒーを飲みに来たりしてくださいね。

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15周年、でございます

私達サンシャインステイトエスプレッソは2010年2月13日にホゼとまぁちゃんが二人で始めたコーヒー屋さんです。

ということで今日が創立の日、今年は2026年なのでなんと15周年を迎えることができました。これまで店舗で通販で応援していただいた皆さんとSSEのコーヒー豆を使っていただいているパートナーさんたちのおかげでここまで続くことができました。本当にありがとうございます。

ここまで15年間を振り返ってみますと、創業翌年が東日本大震災、その翌年に本所に移転。ここから2020年まで10シーズンの間、会津高原だいくらスキー場にチャリティ店舗を冬季のみ出店しました。現在も務めている日本スペシャルティコーヒー協会の仕事に携わりはじめたのは2012年からです。2018年から墨田区がホームタウンのフウガドールすみだのスポンサーとなり、2021年にマーナと共同開発のコーヒープロダクトReady toシリーズを発売。10年目の2020年より数年、新型コロナでの社会の大きな影響を受け、なんとか乗り越えて23年につくば店・焙煎所をつくり焙煎機を移設、2拠点体制になりました。

そう長くもない歴史ですがその間に専門学校の講師を務めさせていただいたり、企業や自治体からセミナーや教室の依頼があり先生をさせていただいたり、台湾のコーヒー展示会でステージに立たせていただいたり、テレビに出演させてもらったり、新聞や雑誌に取り上げていただいたり、タレントさんや有名人にコーヒーを教える機会をいただいたり、コーヒーの大会でまぁちゃんが日本3位になったり、また店舗には国内外の著名な方、スポーツ選手やアーティストの方たちとの貴重な出会いがあり、本当に山あり谷あり盛りだくさんでいろいろありましたが、なんとか無事今日という日を迎えることができました。

サンシャインステイトエスプレッソはホゼとまぁちゃんの二人しかいないお店なので、コーヒー豆の選定は二人で納得したものを買っていますし、店頭に並ぶまで、または通販で発送するところまで、焙煎もハンドピックも袋詰めもぜんぶ二人でやっています。店舗でお召し上がりいただけるスイーツはぜんぶまぁちゃんの手作りです。これまでも、これからも、二人でできることだけを二人でできる範囲でがんばっていこうと思います。


ところで、SSEの最初のキャッチフレーズはこんなでした。

コーヒーをもっと自由に もっと気軽に

なんだか、ちょっと肩に力が入りすぎたような文句ですね。カッコつけてる感じもあります。いま見ると「若かったなあ」という気がします。

現在のキャッチフレーズはこれです。

だい好きなひとと

お気に入りの本と

おいしいお菓子と

他愛ないお喋りと

コーヒーがあるしあわせ。 

肩の力が抜けて、というよりも脱力しすぎてなんだかコーヒー屋じゃないようなフレーズになってます。コーヒーという単語は入ってるけど。

いつか、次のキャッチフレーズになるときは、もっともっと脱力しちゃうのかな。それとも再びみなぎるやる気で力強くなっちゃうのかな。でも、ホゼとまぁちゃんの二人であることはきっと変わることはありません。

これからも、末永くSSEをどうぞよろしくお願いしますね。皆さんがちょっとしあわせになれるようなコーヒー(と店頭ではスイーツも)を皆さんの生活の中にお届けできるように、ホゼもまぁちゃんも、まだまだがんばっていきますね。

ホゼ まぁちゃん